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住宅ネットワーク「フォーセンス」のこれまでとこれから

[鼎談]
(写真左)フォーセンス 代表取締役 飯嶌 政治氏
(写真中)神谷コーポレーション 代表取締役 神谷 忠重
(写真右)新建新聞社 代表取締役 三浦 祐成

フォーセンスが工務店に提供するのは「既製品を使って、コストをかけずに品質の安定したデザイン住宅をつくるノウハウ」。美しい空間をつくるためのルールが標準化され、またそのための資材も用意されているため、だれでもデザイン住宅を提案できる。そのノウハウの一端を、フォーセンス代表・飯嶌政治氏、神谷コーポレーション代表・神谷忠重氏、新建新聞社代表・三浦祐成が話しあった。

第2回 現業工務店が吟味した資材をリーズナブルに

ドア高さにまでこだわり美しい空間追求

美しさは「高さ」で決まる

三浦:フォーセンスのデザイン住宅のポイントはどこにあるのでしょうか?

飯嶌:コストをかけずにデザイン性を高めるポイントはいくつかあります。一番大事なのは全体のバランス。そして、構成部位1つ1つの「高さのバランス」を意識することだと私たちは考えています。例えば室内の場合、階段室も含めて下がり壁をいっさいつくらず、天井を常にフラットにすることを基本にしています。

三浦:高さのバランスまで標準化することで、だれでも簡単に美しい空間をつくれるようにしたということですね。確かに、考え抜かれた高さの空間にいるととても居心地がいい。建築に詳しくない住まい手でも居心地の良し悪しは敏感に感じ取ります。

ハイドアを標準仕様に

飯嶌:ドアが天井の高さですっと揃っているだけで美しいと思いませんか。建具の高さもとても重要です。
標準高の室内ドアをお勧めしていあたこともあるのですが、同じメーカーでも商品ごとに高さが数ミリ違うことがあって、仕上がりがカッコ悪いし、使いにくい。天井まであるハイドアに統一するのがベストだという結論に至って、神谷コーポレーションの「フルハイトドア」を会員工務店さんにお勧めするようになったという経緯があります。いまではフォーセンスの家づくりに欠かせないアイテムの1つです。

三浦:神谷社長はいまお聞きしたようなフォーセンスのデザインメソッドをどうとらえていますか。

神谷:「人は情報の8割を視覚から得ている」と言われています。視界のバリアフリー化は大事で、ドア高を天井高に揃えるのはすごく理にかなっていると思います。フォーセンス様に採用頂いている「フルハイトドア」は、「壁面化」を目指し、枠・金物を徹底的に排除しています。私たちは空間を広く明るくすっきりと見せるためには壁と一体化するドアが理想だと考えていて、「主張しない存在感」と表現しています。

会員の6割超が採用する神谷コーポレーションの「フルハイトドア」。
既製品をうまく取り入れ、上質なデザイン住宅を提案する。

三浦:両社の空間デザインには共通点が多いように感じます。

飯嶌:そうですね。私たちはこのドアのコンセプトを理解したうえで家づくりに活かそうとしています。ハイドアなのに下がり壁がある事例を見ますが、その建材の開発意図や魅力が消えてしまっていて、もったいないと感じます。
フォーセンスは部材のサイズや素材の生かし方を考えて標準化し、図面に落とし込み、研修会で設計ノウハウを共有しています。ハイドアにしても、なぜ使うべきなのかその理由をきちんと理解していればお客様にきちんと説明ができるし、そうするとお客様もその空間が美しいかが理解できる。そのなかで共感が深まっていきます。

反りを抑える技術

神谷:一般的に室内ドアの標準高は2000ミリとされていますが、じつはこれが定着した本当の理由は、これ以上高さがあると扉が反るからだと言われています。つまり、メーカー側の勝手な都合でいまのドア高が決まっていると言ってもいい。そこで当社は、室内ドアの専門メーカーとして、他社が苦手とする2400〜2600ミリのハイドアに特化してきました。

三浦:工務店さんからすると、「反りが少ない=クレームが少ない」ことはとても重要なポイントですね。

神谷:木材が全く反らないということはないので、反りをいかにコントロールするかがメーカーとして腕の見せ所だと思っています。当社は自前で環境試験室をつくり、想定外の温度・湿度でドアがどのように変化するかを徹底的に研究しています。例えば照射加熱試験では、扉の表面温度が50度になる環境で最大変位(どこまで反るか)と残留変位(反りがどれだけ早く戻るか)を確認し、それらをコントロールする独自技術を開発してきました。

三浦:どうやってコントロールするのでしょう?

神谷:簡単に言うと、スチールパイプで反りを抑え、空気循環で反りを戻す。この技術に関しては日本一の自負があります。

実践しておすすめする

三浦:工務店さんもいろんな資材が次々登場するので選びきれませんし、何を基準に選んでいいかわからなくなります。フォーセンスは「上質なデザイン住宅を既製品を使ってリーズナブルにつくる」という明確な目的のもと、本部が吟味したお墨付きの資材を安く買うことができる。会員さんの大きなメリットだと思います。

飯嶌:現業の工務店である3社の役員会社が選び、実践し、使って良かったものを会員工務店さんにおすすめするのが基本です。「フルハイトドア」だと市価より2割ほどリーズナブルな提携価格で購入できますし、ミリ単位でのオーダーに対応してくれます。会員さんにおける「フルハイトドア」の採用率は6割超で、人気です。別メーカーを使ってみたけれど、現場見学会の反応が全然違うから結局「フルハイトドア」に戻ってきたという会員さんもいます。

三浦:提携先も増えていますね?

飯嶌:プロデューサーですか。言われてみればそうかもしれません(笑)。設計・施工・納まり・コストを標準化し、それをシンプルな使いやすいマニュアルにまとめたことで、うちでもできると思っていただけ、実践も進みました。

三浦:今後は住宅ネットワークも差異化の時代。今後は、これまで以上に飯嶌社長のプロデュース能力が必要とされるはずです。

飯嶌:コストパフォーマンスの高い資材を提供することも工務店支援の1つだと考えています。会員さんの利益確保に貢献したい。断熱材、太陽光、トイレなどを提供していますが、今後も提携先を広げ、260社超のスケールメリットを生かした価格でお届けしたいと考えています。

テキスト画像:request
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画像:cubeの中に透けた室内の画像
ロゴ:Forsense

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